What of SelfCheck Service

当サービスについて

目に見えないウイルスをいかに補足するか、これは人類の大きな課題です。糖鎖を結合させたナノ粒子を利用してウイルスを補足し、ウイルスの種類を確定する本技術は、従来では見えなかったウイルスも見えるようにできます。言い換えれば今まで補足できなかった潜伏期間や不顕性感染の状態のウイルスの確定が可能になるということです。当社は、本検知技術の普及を行うとともに、本技術をベースにした防疫や罹患後の対応なども視野にいれた活動を行いたいと考えています。

 動植物等に感染するウイルスを同定・定量する事は、感染症の診断や治療・予防指針を決定するために必須である。しかし、生体(体液中)、食品、飲料水、河川水などに存在するウイルスは極微量で、現在の技術では検出できない場合があり、昨今のインフルエンザウイルスH1N1の蔓延で問題が明らかとなった。鹿児島大学隅田研究室とスデックスバイオテック社との共同研究グループは、ウイルスの糖鎖結合性を利用し、酸性糖鎖を固定化した金ナノ粒子(SGNP)を用いたインフルエンザウイルスの超高感度検出法を確立し、不顕性感染者の特定にも成功した。また、複数の糖鎖を固定化したアレイ型シュガーチップを用いて、約250株のインフルエンザウイルスの相対糖鎖結合性を調べ、データベースを作成し、それを用いたウイルス株の新しい識別法を検討している段階である。

稀薄ウイルスの発見方法

ウイルスのレセプター糖鎖

(出典 WIKIPEDIA)
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 生物を構成する細胞の表面は多種の糖鎖に被われている。ウイルスはこの鎖鎖と結びつき体内へ侵入していく。この鎖鎖は生物の種類により異なりウイルスの種類により結びつく鎖鎖は異なる。一般的に豚の細胞の糖鎖は鳥由来のインフルエンザウイルス、人由来のインフルエンザウイルスと結びつく。しかし、鳥由来のウイルスが人の糖鎖に結びつく事はないと言われる。その逆もしかりである。
ヘマグルチニン(hemagglutinin、haemagglutinin、HA)とは、インフルエンザウイルス、およびその他多くの細菌、ウイルスの表面上に存在する抗原性糖タンパク質である。ウイルスはこのヘマグルチニンの働きによって細胞に感染する。ヘマグルチニンという単語は、in vitroにおいて赤血球(hem)を固まらせて凝集体(agglutinate)を作ることから名付けられた。ヘマグルチニン(以下HA)は少なくとも16種類が存在する。これらのサブタイプはH1からH16の種類に分けられる。インフルエンザウイルスの亜型名(例:H5N1など)のHはこのHAの種類を表している(Nはノイラミニダーゼの種類を表す)。最後に発見されたH16は、最近スウェーデンとノルウェーからのユリカモメから分離された例のみである。H1、H2、H3の3種類はヒトインフルエンザウイルスに存在する。

 H5N1(トリインフルエンザ:avian flu)は極まれにヒトにも感染する可能性がある。ヒトの患者から発見されたトリインフルエンザウイルスのH5はアミノ酸配列が1つ変異していた。そのため、H5N1ウイルスのレセプター特性が変化してヒトにも感染するようになったということが発表された[3][4]。この発見は通常ヒトには感染しないH5N1ウイルスがどのようにしてヒトの細胞に感染するのかを的確に説明できる。また、このH5N1ウイルスのHA抗原の変異が高い病原性の原因にもなっていることがわかった。これはプロテアーゼによる活性型への転換が容易になったためである。

感染のメカニズム

 HAは標的細胞表面のシアル酸に結合する。そのため、ウイルスが細胞表面から離れなくなる。ウイルスはそのまま細胞膜に包み込まれ、ウイルスを入れたままエンドソームの形で細胞内に取り込まれる。次に細胞はエンドソーム内部を酸化させ、ウイルスをリソソームに送り込んで消化しようとする。しかし、エンドソームのpHが6.0まで低下するとHAの構造は不安定になり、折りたたまれたペプチド構造が部分的に展開する。するとタンパク質で隠されていた強疎水性の部位が開放される。この融合ペプチド(fusion peptide)を、あたかも鉤のようにエンドソーム膜に挿入して固定する。さらに、HA分子の残りの部分は新しい構造(より低いpHでも安定な構造)に折りたたみ直され、融合ペプチドを引き寄せる。するとウイルス自身もエンドソーム膜に引き寄せられ、膜と融合する。その後、ウイルスのRNAは細胞質に挿入されて増殖を開始する。ピクチャ 2.png

超高感度のウイルス検出方法

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 ウイルスが細胞に感染する際に、細胞表面の糖鎖(糖分子が複数個繋がった分子)にまず吸着するという性質を逆手に取り、ウイルスが吸着する糖鎖を直径15ナノメートルほどの大きさの金のナノ粒子に固定化させたSGNP(糖鎖固定化金ナノ粒子)を調製しました。SGNPとウイルスを混合すると、ウイルス表面にSGNPが糖鎖を介して吸着し、ウイルスは重くなって沈殿する。その沈殿を集めることによってウイルスが濃縮され、リアルタイムPCRで調べたところ、ウイルスが約1000倍濃縮されたことがわかり、一般の方法では検出限界以下の極超低濃度のウイルスの遺伝子検出が可能になる。

目視検出への応用

 その他、多価の蛋白質と結合すると凝集塊を形成するため、糖鎖との相互作用を、特別な装置を必要とせず、目視で検出できます。糖鎖結合性蛋白質(レクチン)の1ステップ精製、ドットブロットのプローブなど、糖鎖に関する基礎研究に応用可能です。

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SGNPを用いた検査風景

取得した検体から不純物を取り除く作業を行い。SGNP溶液を用いウイルスを固定化させます。その後、遠心分離機にかけ沈殿させ PCRにより遺伝子解析を行います。解析結果により陽性、擬陽性、議陰性、陰性の 4つのフェーズで感染を確認します。

検体にSGNP溶液を注入作業中。